悲しい。
腹が立つ。
なぜか不安になる。
誰かの一言が、いつまでも頭から離れない。
私たちは毎日、いろいろな感情を持ちながら生きています。
今回は『神智学の真髄』の考え方を参考にしながら、私が普段の鑑定で感じていることも含めて、「感情面」について書いてみたいと思います。
① 感情面とは何か
一般的には、
「私は不安です」
「私は怒っています」
「私は悲しいです」
と考えます。
ところが神智学では、人間を肉体だけの存在として見ません。
肉体があり、感情に関係する部分があり、思考に関係する部分があり、さらに深い意識がある。
人間を何層かに分けて考えます。
そのため、
⭐感情=自分そのもの
とは限りません。
例えば、
「私は臆病な人間です」
ではなく、
「今、怖いという感情が大きくなっています」
と見ることができます。
この違いは、とても大きいです。
人の感情は変化します。
朝は不安だったのに、昼になると普通。
夕方に誰かから嫌なことを言われて腹が立つ。
一晩寝ると、
「まあ、どうでもいいか」
となることもあります。
もし感情が完全に自分自身なら、一晩寝ただけで大きく変化するのは少し不思議です。
私は感情を、天気に近いものとして考えることがあります。
雨の日もあれば、晴れる日もあります。
台風のように荒れる時もあります。
でも、
雨が降っているから、空そのものが雨になったわけではありません。
人間も同じです。
怒りがある。
嫉妬がある。
不安がある。
だからといって、その人の存在全部が怒りや嫉妬でできているわけではありません。
今、感情面が大きく動いている。
まずは、そのように見ることが大切だと思います。
② 感情に振り回される時の方法と対策
感情が大きくなった時、一番困るのは、
⭐感情と現実の区別がつきにくくなることです。
例えば、
「嫌われたかもしれない」
という小さな不安。
これを何度も考えていると、
「きっと嫌われた」
「私はいつも嫌われる」
「私は人間関係がうまくいかない」
「私は価値がない」
と、どんどん話が大きくなることがあります。
最初は、
「嫌われたかもしれない」
だったはずです。
ところが最後には、
「私は価値がない人間」
になっています。
こういう時に大切なのは、
無理やり前向きになることではありません。
「感謝しましょう」
「ポジティブに考えましょう」
だけでは、どうにもならない時があります。
私はまず、
感情を言葉にすること
が大切だと思っています。
「私はダメ」
ではなく、
「今、不安が強い」
「私は弱い」
ではなく、
「今、この問題が怖い」
「人生が終わった」
ではなく、
「今、先が見えなくて困っている」
少し言葉を変えるだけです。
すると、自分と感情の間に少し距離ができます。
次に確認するのは、体の疲れです。
寝不足。
仕事の疲労。
人に気を遣いすぎた。
食事が適当。
忙しすぎる。
こういう状態では、感情も不安定になりやすいです。
私は鑑定でも、
「まず休んだ方がいいですよ」
とお伝えすることがあります。
人生の大問題に見えていたことが、15分横になっただけで少し軽くなる場合もあります。
感情が動いた時は、
すぐに人生の結論を出さない。
まず休む。
少し離れる。
言葉にする。
必要なら誰かに話す。
それから、
「では現実的に、どうするか」
を考えます。
③ 鑑定で見られる感情面のパターン
普段、霊視鑑定や人生相談をしていると、いくつか似たパターンがあります。
一つ目は、
不安が先に大きくなる人。
まだ何も起きていないのに、
「失敗したらどうしよう」
「嫌われたらどうしよう」
「悪いことが起きる気がします」
と考え続けます。
このタイプは、未来を悪い方向へ何度も想像しています。
二つ目は、
相手の感情を自分の問題にしてしまう人。
上司が不機嫌。
家族が怒っている。
友達の返信が遅い。
すると、
「私が悪かった?」
と考えます。
でも実際には、
上司は仕事で疲れている。
家族は別のことで怒っている。
友達は寝ている。
そんなこともあります。
何でも自分に結びつけてしまうと、とても疲れます。
三つ目は、
昔の自分と今の自分を比べ続ける人。
昔はモテた。
昔は仕事ができた。
昔は元気だった。
昔はもっと大切にされた。
年齢を重ねると、環境も体も人間関係も変わります。
ところが本人の中では、
「昔の自分」が基準になっています。
そのため、
今の自分を見るたびに落ち込みます。
私はこういう場合、
「昔に戻る方法」
より、
これから何を使って生きるのか
を見ることがあります。
若い頃は見た目で進めた。
今は経験を使う。
勢いで進めた。
今は判断力を使う。
我慢してきた。
これからは、人との距離を考える。
人は同じ力だけで、一生を進む必要はありません。
鑑定では、
「何が悪いですか?」
だけではなく、
「今までの方法が、今の自分に合っているのか?」
を見ることも大切です。
④ 神智学的見解と総論
神智学では、人間には肉体だけではなく、感情や思考に関係する領域があると考えます(オーラとか、チャクラの話などなど)。
感情面は非常に動きやすい。
周囲の影響を受ける。
自分の考えにも影響される。
そして、感情が大きく動くと、
人はそれを「自分そのもの」だと思いやすくなります。
しかし神智学的な人間観では、
人間はもう少し奥行きのある存在です。
肉体だけではない。
感情だけでもない。
思考だけでもない。
その奥に、より深い意識を考えます。
私自身も、鑑定をしていて、
「この人は本当に弱い人なのかな?」「本当にそうかな」
と思うことがあります。
本人は、
「私は弱いです」
「何もできません」
と言います。
でも実際には、
20年間仕事を続けていたり、
家族を支えていたり、
何度も苦しい状況を乗り越えていたりします。
弱い人ではありません。
ただ、
今、感情面が疲れている。
それだけの場合もあります。
感情は大切です。
無視する必要はありません。
怒りにも理由があります。
悲しみにも理由があります。
不安が危険を教えてくれることもあります。
でも、
感情が言っていることを、全部「真実」として受け取る必要もありません。
「私は今、不安なんだな」
「今、怒っているな」
「かなり傷ついたんだな」
まずは、自分の感情を見る。
そして少し落ち着いたら、
現実を見る。
何が起きているのか。
何ができるのか。
何をやめるのか。
誰に相談するのか。
私は、スピリチュアルと現実は、このようにつなげて考えています。
今日、落ち込んでいても大丈夫です。
今日、不安でも大丈夫です。
その感情だけで、
あなたという人間全部を決めなくてもいい。
感情はあなたの一部です。
でも、
感情だけが、あなたではありません。
神智学を学んでいると、そんな人間の奥深さを感じることがあります。
※この記事は、E・ノーマン・ピアースン著『神智学の真髄』の神智学的な人間観を参考に、私自身の鑑定経験や考えを交えて分かりやすくまとめたものです。




コメントを残す